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サビの現状


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ステンレスの豆知識


ステンレスの語源・特性
ステンレス(Stainless)は、汚れ(Stain)無い(Less)を合わせた造語です。
文字からいくと汚れない・錆びないという意味になります。
しかしステンレスという元素はありません。人間の作り出した合金なのです。
元々は鉄(Fe)なのです。鉄はサビます。
そこでクロム(Cr)という物を13%以上・その他の添加物(ニッケル(Ni)など)を混ぜて耐食性を向上させた合金がステンレス鋼なのです
ステンレスといっても混ぜる物・成分により細かく分類されています。
JIS規格鋼だけで70種以上、海外規格・メーカーオリジナルも含めると200種を超えると思われます。
元々鉄ですからサビに対して万能ではないのです。
手入れ・使用環境・使用条件によりサビが発生してしまいます。
錆びないという認識よりサビにくいと思った方が正しいかと思います。


ステンレスの錆びにくい理由
ステンレスの表面には目に見えない非常に薄い膜(不動態皮膜)があるのです。
この膜の厚さは1nm〜3nm位です。(1nm=1/1000000m)(読み方1ナノメートル)
その膜が表面保護しているお陰でサビにくくなっているのです。


ステンレスのサビの原因
不動態皮膜もキズ・空気中の鉄粉・塩分・酸性雨などには弱いのです。
よくステンレスに茶色い点の様なシミが発生していることがあります。
それはサビの初期なのです。孔食と呼ばれるものです。
放っておくと穴が開いてしまう事もあります。
表面の皮膜が破壊されて、内部にサビが進行していきます。
サビは衛生上・外観上よろしくないものです。

※新品時でも製作段階での溶接による焼け、サンダーがけなどによる鉄粉の付着
  などによるサビの発生が考えられます。
  製作製品を不動態化処理していないとサビを発生させてしまう原因となります。


ステンレスの種類
よく磁石に付くから安いステンレスという言葉を耳にすることがあると思います。
それには誤解もあります。
ステンレスには用途により磁性のあるもの(磁石に付く)と、磁性の無いもの(磁石に付かない)があります。
スプーンなどに番号が記されているのを目にした事のある人も多いかと思います。
その番号でステンレスの種類が分かる場合もあります。
参考にしてみてください。

13Cr(クロム)  (SUS410)
普及タイプの洋食器・シンクなどに使用されています。
クロムが13%以上添加されており磁性があります。
18-8       (SUS304)
現在では多くの洋食器・シンク・手すりなどに使用されています。
クロム18%以上・ニッケル8%以上添加されており13Crより耐食性が向上し磁性はありません。
18-10      (SUS304L)
クロム18%以上・ニッケル10%以上添加され18-8より耐食・耐久性が向上しています。
磁性はありません。
20-20      (SUS310)
クロム20%以上・ニッケル20%以上添加し鉄分を50%以下にすることで耐食性を大幅に向上。
磁性はありません。

上から下に行くにつれて材料価格が高くなっていきます。
耐食・耐久性も向上していきます。
クロム・ニッケルはレアメタル(希少金属)と呼ばれる非鉄金属です。
現在世界的に高騰している材料です。
その他に同じ材質でも表面の仕上がりで光っている物・白っぽい物・細かいスジの入っている物などさまざまあります。



ステンレスは耐食・耐久性に優れた材質です。
日頃のお手入れでサビの発生を抑え長く使用できる材質です。
しかし使用条件・間違ったお手入れなどによりサビを生みます。
ステンレスはサビないという間違ったイメージからお手入れしなくともよいという人も中にはいるかと思います。
サビたステンレス製品を見ると製作現場の立場から非常に残念に思います。
ステンレスはサビにくい材質という認識を持って頂ければと思います。
日頃のお手入れで外観・性能は維持出きるものです。


限りある資源を大切にしましょう。